韓国の世界遺産（文化遺産）

中心の建物である正殿は正面が大変長く、建物前の庭とひとつになっており、西洋はもちろん東洋でも類を見ない建築物として知られています。先祖を崇拝する儒教文化により、祭祀の儀礼を基に王室の主導によって厳格に建てられ、現在もその姿が昔のままに保たれています。建築物とともに祭祀、音楽、舞踊、飲食などの無形遺産がともに保存されており、今日まで宗廟祭礼と呼ばれる祭祀儀礼が定期的に行われています。宗廟と宗廟祭礼ともにユネスコ世界遺産にも指定されています。

正殿（정전・チョンジョン）

正殿は韓国一長い木造建築です。外から見ると20本の柱と19の扉がありますが、内部はすべてつながっており、位牌を祀る太室のみ華やかな模様が施されています。正殿内部は一般公開されていませんが、香大庁（ヒャンデチョン）にある第2展示館に太室が再現されています。現在、正殿には19室に49位、永寧殿には16室に34位の位牌が祀られており、正殿の庭の前にある功臣堂には朝鮮時代の功臣83位が祀られています。
正殿に通じる門は3ヶ所ありますが、南門は霊魂のみが出入りできるところで、東門は王や世子、祭礼を執り行う王の親戚、臣下が使用し、西門は祭礼音楽と舞踊を担当する楽工が使用していました。

永寧殿（영녕전・ヨンニョンジョン）

永寧殿には、定宗(２代)、文宗(５代)、端宗(６代）など正殿に祀られなかった国王と王妃あわせて34位の位牌が16室に祀られています。正殿に位牌を祀る場所が足りなくなったために横に建てられたのが永寧殿（ヨンニョンジョン）です。永寧殿には「王家の祖先と子孫がともに末永く平安であれ」という意味が込められています。永寧殿は正殿に比べて規模が小さく、安置されている位牌数も多くありません。建物は正殿と似ていますが、よく見ると屋根の形が異なっています。正殿は屋根全体が一直線ですが、永寧殿は中央の太室のところが突出しています。永寧殿には大きな業績を残せなかったり、在位期間が短かった王の位牌が主に祀られています。

下馬碑（하마비・ハマビ）

宗廟の正門前に建っている下馬碑（ハマビ）は、馬から下りよという意味の石碑です。宗廟は歴代の王と王妃の位牌が祀られた場所であるため、王ですら輿車を降りたり下馬したりしなければなりませんでした。

❏ 国指定重要文化財：
※ 国宝：‌宗廟 正殿
‌※ 宝物：‌宗廟 永寧殿
※ 国家無形文化財：‌宗廟祭礼・宗廟祭礼楽
❏ 住所：ソウル市 鍾路区 鍾路157（薫井洞）（서울 종로구 종로 157（훈정동））
❏ 電話：（02） 765-0195 、FAX：（02） 3672-4332
❏ 休館日：毎週火曜日（※火曜日が祝日の場合は、翌日が休館日です。）
❏ 観覧案内
【言語別時間制観覧／ガイド付き観覧（月·水·木·金）】
▪毎週土曜日を除き、解説ガイド付き見学のみ可能となります。
 ▪決められた時間に言語別（韓国語、日本語、英語、中国語）の解説者と一緒に回ります。
 ▪1回の見学人数：300人まで（インターネット予約または現地申込可、ただしインターネットの予約時に住民番号が必要となります）。
 ▪10人以上の団体または旅行社のガイドの引率観覧は必ず予約が必要。
 ▪外国人案内時間は原則的に韓国人の入場不可(外国人と同伴時は可)。
 ▪ガイドの動画撮影及び音声の録音は、必ず当該ガイドの事前同意が必要です。
 ▪見学時間：約1時間。
‌ ※韓国語案内（09:20、10:20、11:20、12:20、13:20.14:20、15:20、16:20 (*3月~9月は 16:40)
 ※日本語案内（09:40、11:40、13:40、15:40）
 ※英語案内　（10:00、12:00、14:00、16:00）
 ※中国語案内（11:00、15:00）

【 一般観覧】
▪土曜日、祝日
▪観覧時間：2月~5月、9月~10月（09:00~18:00）／ 6月~8月（09:00~18:30）／ 11月~1月（09:00~17:30）

❏ 入場料：大人 1,000ウォン（子供500ウォン)
❏ 駐車料（乗用車）：
❏ http://jm.cha.go.kr

ACCESS･････
❏ 公共交通（地下鉄）：地下鉄１･３･５号線、鐘路３街駅（종로3가・Jongno3-ga）から徒歩約５分（1号線-11番、3号線-8番、5号線-8番出口）‌