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韓国の世界遺産(文化遺産)

人類全体にとって普遍的価値がある遺産をユネスコが「世界遺産一覧表」に登録した文化財のこと!

山寺、韓国の山地僧院(Sansa, Buddhist Mountain Monasteries in Korea)【登録年:2018年】

[通度寺] 慶尚南道 梁山市 下北面 通度寺路108 Tel: +82-55-382-7182
[浮石寺] 慶尚北道 栄州市 浮石面 浮石寺路345(浮石面) Tel: +82-54-633-3464
[鳳停寺] 慶尚北道 安東市 西後面 鳳停寺キル222(西後面)Tel: +82-54-853-4181
[法住寺] 忠清北道 報恩郡 俗離山面 法住寺路 405 Tel: +82-43-543-3615
[麻谷寺] 忠清南道 公州市 寺谷面 麻谷寺路966(寺谷面)Tel: +82-41-841-6220
[仙岩寺] 全羅南道 順天市 昇州邑 仙岩寺キル450(昇州邑)Tel: +82-61-754-6250
[大興寺] 全羅南道 海南郡 三山面 大興寺キル400(三山面)Tel: +82-61-534-5502
休業日:年中無休


山寺、韓国の山地僧院は韓国歴史の中、有形と無形の文化的伝統を維持している仏教遺産で、韓国の13番目の世界遺産に選ばれました。
山寺を構成する7つの寺院は、全て仏教信仰を基にして宗教活動、儀礼、講学、修行を継続的に続き、様々な民間信仰を包容しています。 "山寺"の僧伽共同体は禅修行の伝統を信仰的に継承し、冬安居と夏安居を修行し、僧伽共同体を継続するためのウルリョク(*大勢の人が力を合あわせてする仕事)を修行の一部と考え、今日までも茶畑と野菜畑を経営も行ってあります。
韓国の寺院は平地に建てられたものと山地に建てられたものに分けられます。しかし朝鮮王朝以後、平地寺院はほとんどなくなり、山地寺院は現在まで残ってきました。世界遺産委員会は、これらの寺院が7~9世紀に創建されて以降、その機能(仏教共同体が信仰と修行を基礎として生活)を維持しており、「顕著な普遍的価値」に相当すると評価しました。 これは「山寺、韓国の山地僧院」の持続性、歴史性、立地と環境、機能性など、高い真正性が認められたことを意味します。
韓国の山地型仏教寺院である通度寺(トンドサ)、浮石寺(プソクサ)、鳳停寺(ポンジョンサ)、法住寺(ポプチュサ)、麻谷寺(マゴクサ)、仙岩寺(ソナムサ)、大興寺(テフンサ)という7寺院で構成されています。


[通度寺]
通度寺は646年に創建されたとされています。お釈迦様の遺骨である「仏舎利」を奉安した金剛戒壇があり、 大雄殿には仏像がないというのが通度寺の特徴です。その他、扉を開けるとすぐに仏像が見える他の寺とは違い、通度寺の霊山殿は扉を開いても仏像がすぐには見えず、仏像は東に置かれているのが印象的です。また霊山殿には釈迦の生涯を描いた「八相図」があり、仏画様式を理解するための貴重な資料となっています。


[浮石寺]
浮石寺は676年に創建されたと伝えられています。煩悩を象徴する108の階段が有名で、この階段をのぼると眼下にはすばらしい景色が広がります。また、韓国で最も古い木造建築物のひとつである「無量寿殿」は建築学的にも大きな意味をもっています。


[鳳停寺]
鳳停寺は672年に創建されたとされています。大雄殿前に楼門「万歳楼」があり、体をかがめなければ通れない高さとなっていますが、ここから謙虚にならなければならないという仏教の教えが垣間見えます。 また鳳停寺は、韓国最古の木造建築のひとつに数えられる国宝第15号「鳳停寺極楽殿」をはじめとし、 国宝第311号「鳳停寺大雄殿」などを保有しています。


[法住寺]
法住寺は553年に創建されたとされており、韓国唯一の木造五重塔である「捌相殿」をはじめ、多様な文化財を保有しています。また、青銅100トン以上が使われたという高さ33メートルの巨大な金銅弥勒大仏も見どころとなっています。


[麻谷寺]
麻谷寺は643年に創建されたとされています。まわりの山や川の風景と調和した麻谷寺の風景は韓国の伝統美が感じられます。この寺を取り囲む周辺の山と水の景色は太極のように曲線を描いており、朝鮮時代の幾度かに及ぶ大きな戦乱にも全く被害に遭わなかったのはそのためだと考えられています。


[仙岩寺]
仙岩寺は529年に創建されたとされる寺院です。仙岩寺へ向かう道ではアーチ型の昇仙橋と、樹齢600年以上といわれる梅の木に出会えます。また仙岩寺は他の寺院と違い、入口の四天王門がないことや、大雄殿に脇侍菩薩像がないこと、大雄殿の中央の御間門(本堂の正面中央の入り口)がないというのが大きな特徴です。


[大興寺]
大興寺は高麗以前に創建された寺院で、正確な創建年代は不明です。仏教信仰により国家を保護するという信念を持ち、多くの僧侶を輩出している他、韓国の茶文化が定着した場所でもあります。広い盆地に位置し、殿閣の数が多く、3区域に分けられています。

❏ 登録名称:山寺、韓国の山地僧院
❏ 登録区分:文化遺産 / 登録基準:(Ⅲ) / 登録年:2018年
韓国の名山は名刹を抱いている!
山寺、韓国の山地僧院は、自然景観が美しい全国の名山に位置しています。
僧院とは、仏教を修行する僧伽*と在家の信仰と、相互の交流や活動など、さまざまなコミュニティー場として活用される施設空間です。
韓国の仏教は古代三国時代、高句麗の小獣林王2年(ソスリムワン・소수림왕、372年)に中国(前秦・Ch'ien Ch'in)から韓半島に伝来し始め、百済の枕流王1年(チムニュワン・침류왕、384年)、新羅の法興王14年(ポップンワン・법흥왕、527年)、異次頓(イチャドン・이차돈)の殉教として仏教が公認されました。
7~9世紀には大乗仏教の様々な宗派を受け入れ、統一新羅時代と高麗時代(918~1392)は仏教文化の繁盛期を迎え、僧院は僧伽と在家の修行共同体として経営され、持続的に繁盛しました。
初期の仏教寺院は主に都市に位置していたのに比べ、8世紀末から流行した禅宗の影響で、禅修行の場所として理想的な立地条件を備えた全国の名山に本格的に山地僧院が建立され始めました。
高麗時代まで多様な宗派で栄えていた仏教は、朝鮮時代(1392-1910)の崇儒握仏政策**により禅・教両宗へと統合され、都市の寺院は次第に消えていきました。
仏教の歴史的状況は、禅修行と教理学習の両軸として修行教育が確立、僧伽の伝統も山地僧院を中心に維持・継承され、多様な土着信仰を取り入れながら今日に至っています。
僧侶は修行を行い、寺院の保存と管理のための職務を分担しました。
寺院の建築および補修に参加して、様々な仏教芸術品を製作したり、仏教儀礼を通じて宗教的機能と社会統合において重要な役割を果たしました。
また、僧侶たちは、寺院の経済的自立のために自給自足を生活化し、これは韓国仏教教団が持続できる原動力となりました。
山地僧院は韓国仏教の修行、教育、生活の総合的な空間であり、韓国仏教が継承·発展してきた歴史の全過程が有形無形で受け継がれている遺産です。僧侶と信徒たちが仏教信仰共同体を結成し、今日に至るまで修行と信仰生活を維持してきた持続性から山寺の価値が認められ、2018年に世界文化遺産に指定されました。
山寺、韓国の山地僧院の世界遺産に指定された七つの寺院は、当時の主な宗派である戒律宗、華厳宗、法相宗、禅宗に基づいて創建されました。
7世紀に通度寺と浮石寺、鳳停寺、法住寺が、8世紀末から禅宗が流行し、麻谷寺、仙岩寺、大興寺が創建されました。
山寺の入口、一柱門を過ぎて境内の中心エリアに至るように構成された参詣動線は、韓国山寺ならではの独創的な構造です。それぞれの建物は、宗教的な象徴性と機能を示し、有機的な秩序の中で幾何学的に配置しており、韓国仏教の歴史的発展段階を思想的、建築的に示しています。
山寺は山を境界にせず、開放的な空間に繋がっており、建物は周辺の地形的特性を活かして、自然景観にふさわしい建物を配置しています。まるで秀麗な山の姿の中に包まれているような美しい様子です。
境内は本堂を中心に、仏菩薩を奉安する殿閣、経典を勉強する講堂、座禅修行をする禅院、四部衆がともに生活する寮舎、その他修行と生活に必要な空間からなっています。
*僧伽:仏道修行をする僧の集団
**崇儒握仏政策:朝鮮時代の初期に仏教を国教学から除外し、儒教を支配理念に確立するために実施した政策。
通度寺・통도사
慶尚南道 梁山市 下北面 通度寺路108
경상남도 양산시 하북면 통도사로108 (Tel: +82-55-382-7182)
国之大刹、仏之宗家!
霊鷲山 通度寺(トンドサ・통도사)は、新羅時代の善徳女王15年(646年)、高僧の慈藏律師が中国の唐での留学生活から帰ってくる際に一緒に仕えてきた、仏舎利と金襴袈裟、大蔵経を奉安し、創建されました。
通度寺は海印寺、松広寺とともに、韓国の三宝寺院のうち、仏宝寺刹です。
本堂の大雄殿には仏像を奉安せず、屋外には金剛戒壇が設置され、釋迦牟尼仏の法身を象徴する眞身舎利(仏舎利)が安置されています。
通度寺は、韓国最大規模の寺院で、寂滅宝宮または霊鷲叢林と呼ばれています。
浮石寺・부석사
慶尚北道 栄州市 浮石面 浮石寺路345(浮石面)
경상북도 영주시 부석면 부석사로345 (부석면),  Tel: +82-54-633-3464
鳳凰山 浮石寺(プソクサ・부석사)は新羅時代の676年に義湘大師により創建され、華厳宗の本山です。 鳳凰に似ていることから名付けられた鳳凰山は、風水的に優れた吉相の地として広く知られており、太白山と小白山の間に位置しています。
浮石寺は韓国で一番美しい寺院です。
本堂である無量壽殿は韓国で最もよく建てられた古建築で、鳳停寺の極楽殿に次いで古い木造建物です。安養楼に登って眺める太白山の連峰と夕日の美しい風景は壮観です。
鳳停寺・봉정사
慶尚北道 安東市 西後面 鳳停寺キル222(西後面)
경상북도 안동시 서후면 봉정사길222  (Tel: +82-54-853-4181)
天灯山 鳳停寺(ポンジョンサ・봉정사)は、新羅 文武王12年(672)に義湘大師の弟子の能仁大師により創建されました。能仁大師は、天灯窟で修行をしていた時、紙の鳳凰をおって飛ばし、鳳凰が落ちた場所に山門を開山し、「鳳凰が停まった」という意味で鳳停寺と名付けました。
鳳停寺は、韓国で最も古い木造建築の極楽殿がある場所です。
1999年に訪韓したイギリスのエリザベス女王は鳳停寺を訪問し、「美しい寺院」と称えつつ「今日の訪問は長く記憶に残るだろう」と感想を述べ、芳名録に「静かな山寺、鳳停寺で韓国の春を迎える」というメッセージを残しました。鳳停寺はお寺の中、殿閣配置が一番優れたといわれています。
法住寺・법주사
忠清北道 報恩郡 俗離山面 法住寺路 405
충청북도 보은군 속리상면 법주사로 405  (Tel: +82-43-543-3615)
俗離山 法住寺(ポプチュサ・법주사)は、新羅の眞興王14年(553年)に義信祖師により建立されました。
義信祖師が天竺(India)へ求法旅行に行き、白いロバに経典を積んで帰ってき、ここに留まったということで、「仏の法が住む寺」、「法住寺」と名付けました。
お寺のある俗離山とは、俗界から離れたという意味で、昔から韓国の8景の美しい山並みを誇る名山です。
韓国として現存する唯一の五重木塔である捌相殿は、お釈迦様の生涯と悟りを開くまで、八つの場面で描いた八相図を奉安した木造建物です。
麻谷寺・마곡사
忠清南道 公州市 寺谷面 麻谷寺路966(寺谷面)
충청북도 공주시 사곡면 마곡사로966  (Tel: +82-41-841-6220)
泰華山 麻谷寺(マゴクサ・마곡사)は、百済武王41年(640年)、新羅の高僧、慈蔵律師によって創建されたと伝えています。
別名「春麻谷」と呼ばれ、春の日差しのに生気がある麻谷寺は、木と春の花の美しさが群を抜いてます。
麻谷寺は仏教絵画を描く画僧を多く排出した所で、大光宝殿の「水月白衣観音菩薩図」が有名です。
仙岩寺・선암사
全羅南道 順天市 昇州邑 仙岩寺キル450(昇州邑)
전라남도 순천시 승주읍 선암사길450   (Tel: +82-61-754-6250)
曹溪山 仙岩寺(ソナムサ・선암사)は、百済聖王5年(527年)に阿道和尚により創建されたと伝えられています。
静かな修行場所である仙岩寺は、他の寺院とは異なり、大雄殿の脇侍菩薩像と於間門、そして四天王門がないのが特徴です。特に、於間門は、悟った方だけが通ることのできる中央の門で、人が通ることのできない門だとして造られなかったそうです。
曹渓山の秀麗な自然景観、春の伝令である仙岩の梅(天然記念物第488号)、樹齢600年の臥松、寺の入口の渓谷に架かる美しい曲線の石橋、昇仙橋(宝物第400号)、野生茶、山寺でしか見られない伝統トイレ、解憂所*などで有名です。
*解憂所:憂いを晴らす所、または煩悩が消える所という意味。
大興寺・대흥사
全羅南道 海南郡 三山面 大興寺キル400(三山面)
전라남도 해남군 삼산면 대흥사길400   (Tel: +82-61-534-5502)
頭崙山 大興寺(デフンサ・대흥사)は、544年に阿度和尚により建てられ、道詵国師によって建て直されたと伝えられています。
大興寺は、数多くの禅僧と教学僧を輩出しており、西山大師の救国精神の業績を受け継ぎ、韓国仏教の代表的な護国道場の位相を誇っています。
草衣禅師は、韓国の茶道を中興させて茶聖と呼ばれ、茶と禅を一つに見て「茶禅一味」を標榜しました。茶文化の聖地として知られています。
 大興寺は数多くの文化財を所蔵しており、周辺の優れた山並み、九林九曲に沿ったうっそうとしたヒノキの林道など、秀麗な自然風景は名勝として知られています