人類全体にとって普遍的価値がある遺産をユネスコが「世界遺産一覧表」に登録した文化財!
海印寺は韓国三宝寺刹の一つ。世界文化遺産に指定されたこの名刹は、新羅第40代哀荘王3年(802年)に順応と利貞の二人の僧によって創建された寺院です。美しい渓流が流れる伽揶山南側の深山の中に位置し、「海印・ヘイ」とは“波の動きもない海に、万物の形象がそのまま映るように、煩悩が消えた心には万物の真理もそのまま現れる”という意味の華厳経【けごんきょう】の海印三昧から引用したことで、お釈迦様の正しい悟りの世界と、なにも汚れてない清浄無垢な我々の本心を表す意味であります。
海印寺は、仏宝寺刹である通度寺、そして憎宝寺刹の松広寺とともに韓国華厳宗の根本道場として知られ、このお寺では現在500人余りの憎侶が修行しています。海印寺が「法宝寺刹」と呼ばれる由縁は、お釈迦様の教えのすべてをまとめた経典を保管していることにあります。
海印寺は、八万大蔵経と蔵経板殿の国宝文化財を始め、15点の宝物と200点余りの私宝など数多くの国指定文化財があり、1995年12月にはユネスコ世界文化遺産に指定されました。
駐車場から海印寺入口の一柱門までは30分ほど歩きますが、巨岩と清流、老木がおりなす参道の風景が美しく神秘的。「伽揶山海印寺」と書かれた一柱門をくぐり、さらに鳳凰門、解脱門を抜けると広大な中壇へ入ります。境内には90もの堂宇や石塔が点在し見応えがあり、中心の建物は大寂光殿で、中に安置される本尊仏の前では、信仰の厚い巡礼者がひざまずく姿が絶えないのです。本堂の前には三重石塔と石灯が創建当時のまま残されていてます。
世界記録遺産・国指定文化財(国宝)。
海印寺が法宝寺刹と呼ばれるのは八万大蔵経が収蔵されているためです。八万大蔵経は、蒙古の侵略に対して仏様の力を借りて、国難克服を祈願する意味で高麗23年(1236年)から16年間にかけて完成したものです。大蔵経は仏教の聖典の総称で、仏陀一代の教えのすべての経典と注釈書をさします。総数8万1258枚という膨大な量の版木が保管されています。版木のすべては南海や巨済島など、島の地方からとった白樺の木を3年間海水につけ乾燥させ引き締めた状態に彫り、さらに漆を塗った版で、仏教史上最高の経版であります。八万大蔵経は、温度と湿度が一定に保てるという朝鮮初期の建築物である4棟の蔵経板殿(国宝)に厳重に保管されています。大蔵経は外からの見学となります。
世界文化遺産・国指定文化財(国宝)に指定されている海印寺蔵経板殿は、13世紀に作られた高麗大蔵経板8万余枚が保管されている宝庫として海印寺に現存する建築物の中、最も古い建物であります。蔵経板殿は、本堂の後に丘の上に建てられた一階建ての木造の建物で、正面15間もなる大きい規模の二軒の建物が南北に並んで配置されています。蔵経板殿の南側の建物が修多羅蔵と、北側の建物が法宝殿と呼ばれ、東側と西側には小さい規模の板殿が位置しています。建物は簡潔な方式で造られ、板殿としての必要とする機能だけ充足させてあります。前・後面の窓の位置と大きさが互いに異なっているのも特徴です。建物の美しさと、室内の通風や防湿、適正温度維持、陳列装置などが非常に科学的に設計されています。創建当時の原型がそのまま保存されています。
蔵経板殿は、朝鮮初期(1488年)に建設された以後一度も火災や戦乱の被害を被らなかったし、保存価値が卓越した八万大蔵経がそのまま大事に保管されているのは非常に幸いでしょう。蔵経板殿は世界唯一の大蔵経板保管用建物であり、海印寺の建築技法は朝鮮初期の伝統的な木造建築様式を表しています。
❏ 住所:慶尚南道 陜川郡 伽倻面 海印寺キル 122(경상남도 합천군 가야면 해인사길 122)
❏ 電話:+82-55-934-3000
❏ 観覧時間(海印寺 蔵経板殿と八万大蔵経):夏季 8:30~18:00/冬季 8:30~17:00
❏ 入場料:大人 3,000ウォン(子供:700ウォン)
❏ 駐車料(乗用車):4,000ウォン
❏ http://www.haeinsa.or.kr
※海印寺 蔵経板殿の内部と、八万大蔵経は写真撮影禁止
ACCESS・・・・・
❏ 公共交通:[大邱市から] 大邱西部バスターミナルから海印寺行きバス乗車(所要時間:約1時間30分)